前立腺炎について

前立腺炎は、男性だけにある性器の一部の前立腺に炎症が起こる病気で、様々な症状が現れます。

症状は、頻尿、尿意切迫(堪えがたい尿意)、残尿感、排尿直後の再度の排尿、夜間頻尿、会陰部の痛みや不快感、または陰茎の先端、腰部、精巣の痛み、射精時の痛みなどです。

急性前立腺炎で、かつ高熱があるなど重症の方は、ただちに受診しないといけませんが、慢性前立腺炎など症状が軽い場合、漢方で対処することができます。

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漢方では、急性前立腺炎は、お酒、脂肪の多いもの、甘いものの摂り過ぎで、体に余分な水と熱が溜まって起こる、もしくは、生活習慣に非がなくても、外邪(細菌やウイルスなど)によって起こると考えます。
慢性前立腺炎の場合は、上記の原因に加えて、交接を中断して精をもらさずに我慢することや、房事を恣にして精が少なくなってしまうことなども原因となります。他にも、病気が長引く、極端な冷え症なども原因とされます。
臨床では、腎の弱り、余分な湿と熱、気血の滞りの3つの体の状態が基本となり、程度の差はありますが、この組み合わせによって前立腺炎が引き起こされると考えます。

腎の弱りは、長期の疲労、長患い、房事過多などで助長され、症状としては、足腰が弱い、頻尿、めまいや耳鳴り、勃起障害などがあります。
この場合、鹿茸や亀板のような腎精を補う薬を使います。

余分な湿と熱は、食べ過ぎ飲み過ぎなどが原因となり、症状としては、下痢または便秘、むくみ、胃の痞え、尿の色が濃いなどがあります。
この場合、黄今や黄柏などの清熱薬と、猪苓や沢瀉などの利水薬を使います。

気血の滞りは、気血が不足して流れるものがなく滞っているのか、もしくは不足はしていないが流れがスムーズでないために滞っているのかを考えます。気血が不足している場合、症状としては、疲れやすい、息切れしやすい、目が疲れやすい、顔の血色が悪いなどがあり、気血の流れがスムーズでない場合、胸脇部の脹り、イライラ、抑うつ、舌や唇の色が暗いなどが起こります。
気血が不足している場合、人参や当帰など気血を補う薬を、滞っている場合、柴胡や桃仁、牡丹皮など気血を流す薬を使います。

薬と同じくらい、普段の生活も重要で、コーヒーやアルコール、辛いものなどの刺激物を避け、腹八分目を心がけ、しっかりと寝ることが大切です。
漢方薬+生活習慣の改善が、症状改善への近道です。
男性の薬剤師が対応いたしますので、お困りの方は一度ご相談ください。

症例はこちら↓
慢性前立腺炎:https://halenova.com/blog/?p=4942

漢方薬局ハレノヴァ

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症状・病気別漢方

症例

漢方の「肝」について

漢方と現代医学では、同じ用語でも全く同じものを指すことはありません。
「五つの臓(臓器)」の名前でいうと、西洋医学では、臓器そのものの実体を指す言葉ですが、漢方では、システムや機能単位で区切った言葉です。
今回、「肝」について紹介いたします。
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しびれ・知覚鈍麻について

正常な人でも、正座を長時間した後に、しびれを感じることがあります。慢性的に血行不良が続いたり、一時的な血行不良のあと、一部血流が再開すると、しびれを感じます。
漢方でも、しびれや知覚のマヒは、症状のある部分に気血(エネルギーや血液)が届かなくなって起こると考えます。
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年末年始休業日のお知らせ(2023~24年)

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2023.12.16(土)

漢方薬局ハレノヴァの年末年始休業日をお知らせいたします。

年末年始休業期間:2022年12月29日(金)~2023年1月4日(木)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は2023年1月5日(金)以降となります。
また、休業期間中はオンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

コロナ後の不調(体のだるさ、痰・喉の違和感)

40代男性
主訴: コロナ後の体のだるさ、痰、喉のイガイガ

現病歴:
 午前中は動けるが、午後からしんどくなる。体を動かした後や、仕事に集中するとだるくなる。昼食後は眠たい。夕方も時に寝たい。休日も不変。
 咳はでないが、痰が出る。透明で粘っこい。たまにのどにへばりついている。
 のどのイガイガは朝はマシで夕方になるにつれて悪化。
 コロナは1ヶ月前になった。初めは強い寒気、発熱37.5℃、水様便2~3日。その3日後に強いのど痛。さらに4日後に痰、咳だけ残った。

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病気になりにくい体・再発しにくい体について④(治療薬・健康を保つための薬)

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前回、邪を防ぐ、邪の発生を予防するための方法をお話ししました。
今回は、漢方薬にも、治療のための薬、健康を保つのための薬があることについてお話しします。

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病気になりにくい体・再発しにくい体について③(邪への対処)

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前回、正気を強くするためにはどのような方法があるかお話ししました。
では、邪を防ぐ、邪の発生を予防するにはどうすればよいでしょうか。
1,邪を細菌やウイルスとする場合、2,気候や環境とする場合、3,気血水の滞りとする場合に分けて考えてみます。

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病気になりにくい体・再発しにくい体について②(正気を強くする)

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前回、病気にならないためには、正気を強くするか、邪の侵入を防いだり、邪を体に溜め込まないようにするかどちらかという話をしました。
では、正気を強くするにはどうすればよいか。
正気を強くするには、正しい食事と睡眠をとる、治療のための薬ではなく保健のための薬を飲む、体の熱や冷えのバランスを整える、五臓(肺心脾肝腎)のバランスを整えるなどが必要です。

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病気になりにくい体・再発しにくい体について①(正気と邪)

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病気になりたくないのは、全ての方に共通している思いではないでしょうか。
(むしろ病気になりたいという方は、深淵な哲学をお持ちの方か、探究心を窮めた狂気じみた方か、芯の図太い徹底した天邪鬼だと思います。)
では、病気になりにくい体、病気が再発しにくい体を目指すためにはどうすればよいでしょうか。
漢方の視点、治療薬、保健薬、生活習慣、心、いろいろな面からどうすればよいかを考え、何回かに分けてお話ししていこうと思います。

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夏季休業期間のお知らせ(2023)

8月のたぬき

2023年8月10日(木)

漢方薬局ハレノヴァの夏期休業期間をお知らせいたします。

夏期休業期間:8月11日(金)~8月16日(水)

休業日もメールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

瓊玉膏について⑥(更年期)

更年期の悩みは、パートナーの方など周りに理解されないことも多く、一人で抱え込んでしまうこともあります。
現在は、更年期症状が出る年齢が早まっている方も少なからずいらっしゃって、そういった方は、世間一般にいう更年期の年齢ではないため、一層、理解を得られにくくなっています。

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車酔いからくる手足のしびれ

40代女性
主訴:車酔い・手足のしびれ

現病歴:
 前日バスで酔った。以前からあるが、車酔いで胃の違和感、胃のしびれが出て、その後、手足がしびれ、体が硬直して動かなくなる。
 明日から車を運転して、出かける予定なので、何とかしたい。
 今日は食べられるがムカムカしている。頭に霞がかかったよう。手足の冷え(-)。喜冷飲。ムカムカと頭の症状同程度。

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こむら返り・便秘

70代男性
主訴:#1こむら返り・#2便秘

現病歴:
#1ゴルフをしていると後半に足がつる。芍薬甘草湯を飲んで、以前は効いていたが、効かなくなった。夏もつる。つりやすい時間帯はない。足に毛布をくるんで寝ると多少マシ。
#2直腸がん切除後から排便障害あり。酸化マグネシウムで便通がある。出が悪く、ガスも溜まる。便秘で胸が悪くなる。

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回春仙について③(気付け)

回春仙は、13種類の生薬を配合し、心臓の症状以外にも応用できる漢方薬です。
1丸が小さいため服用しやすく、瓶も小さいので持ち運びやすいのが特徴です。
症状があるときに服用する、頓服薬としてとても便利な漢方薬です。
今回は、気付けに対する効果についてお話します。
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過敏性腸症候群(IBS)について

過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や便通の異常があり、数ヶ月にわたって慢性的に続く病気です。
人によって、便秘だけ、下痢だけが続いたり、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。
症状が強いと、電車に長時間乗れず、トイレがない車両だと不安だったり、緊張する場面になるとすぐにお腹が痛くなり、トイレに何度も駆け込むなど、生活に支障をきたすこともあります。
漢方では、どう考えて薬を決めていくのか、次にご紹介します。
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回春仙について②(やる気の低下・頭がぼーっとする)

回春仙は、13種類の生薬を配合しており、気(≒エネルギー)や陰(機能亢進過剰を抑えるもの)などをバランスよく補充できる漢方薬です。
1丸が小さいため服用しやすく、瓶も小さいので持ち運びやすいのが特徴です。
症状があるときに服用する、頓服薬としてとても便利な漢方薬です。
今回は、やる気の低下・頭がぼーっとするのを改善するはたらきについてお話します。
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