瓊玉膏について④(虚弱体質)

瓊玉膏は、生まれつきの虚弱体質、年齢を重ねてからの虚弱体質のどちらでも服用することができます。
虚弱体質の方の体の状態と、瓊玉膏の作用について説明します。

瓊玉膏300g1

虚弱体質は、体がだるい、疲れが取れない、周りの人のように動けない、あまり食べられない、力が出ない、かぜをひきやすいなどの症状が出やすい体質を言います。
こういった体質の方は、”脾虚”(ひきょ:脾の衰え)や”腎虚”(じんきょ:腎の衰え)が深く関わっていることが多いです。
脾は、消化吸収を担当して、飲食物から気(≒エネルギー)や血(≒血液)を作り出すはたらきがあります。飲食物から取り出した栄養は、いわば「財布の中のお金」です。脾が弱い方は、財布の中のお金が少ないため、何かをしたくてもお金が足りない(体が思ったように動かない)ことになってしまいます。
腎というのは、”先天の精” 言い換えると親から受け継いだ生まれ持った生命力と、”後天の精” さきほどの飲食物から取り出した気血の2つを貯めている場所です。
腎虚とは、貯めている精が不足した状態で、例えるなら「貯金が少ない」状態です。
貯金が少ないせいで、急に大きなお金が必要になったときに対応できず、無理がききません。
生まれつきの虚弱体質も、年齢を重ねてからの虚弱体質も、原因は脾と腎どちらか、もしくは両方にあることが非常に多いです。
脾が弱ければ、お財布のお金が少ないため腎の貯金もなくなっていき、腎の貯金を元手にして、脾が正常にはたらいているので、どちらか一方の衰えがもう一方に影響することも多くあります。

地黄5

瓊玉膏には、地黄、蜂蜜、人参(朝鮮人参)、茯苓、沈香が含まれています。
蜂蜜、人参、茯苓は、胃腸の環境を整えながら、消化吸収の力を強くしてくれます。つまり、脾虚を改善し、飲食物から気血を作り出せるようにして、財布の中のお金を増やしてくれます。
瓊玉膏に含まれる大量の地黄は、精を補充するはたらきがあり、腎の貯金を増やしてくれます。
脾と腎どちらも助けることが、瓊玉膏の特徴です。

体にぴったり合っていると、2週間ほどで効果を実感できることもありますが、多くの場合、1~2か月してから、体が変化し始めます。効果がないと思っていても、よくよく考えてみると、「そういえば、疲れにくくなった」、「そういえば、少し無理ができるようになった」などと仰る方もいらっしゃいます。
よい傾向があれば、そのまま、飲み続けていただくと、ますます効果が現れてきます。
虚弱体質の方には、ぜひとも飲んで欲しい漢方薬です。

瓊玉膏の症例はこちら↓
https://halenova.com/blog/?p=4059
瓊玉膏に関する他の記事はこちら↓
https://halenova.com/blog/?p=6056

漢方薬局ハレノヴァ

TEL: 06-6312-8429

大阪市北区末広町3-21 扇町センタービル1F

ご相談予約

症状・病気別漢方

症例

かぜのような体の不調

50代女性
主訴:かぜのような体の不調が続く

現病歴:
 趣味のスポーツを練習中、かぜのような寒気がした。葛根湯を飲んで少し元気になった。1週間後、同様の症状。
 食欲不振はないが、若干の寒気がある。毎年、春先に体調を崩しやすい。夜に寝る時だけ咳が出る。

続きを読む »

漢方の「肝」について

漢方と現代医学では、同じ用語でも全く同じものを指すことはありません。
「五つの臓(臓器)」の名前でいうと、西洋医学では、臓器そのものの実体を指す言葉ですが、漢方では、システムや機能単位で区切った言葉です。
今回、「肝」について紹介いたします。
続きを読む »

しびれ・知覚鈍麻について

正常な人でも、正座を長時間した後に、しびれを感じることがあります。慢性的に血行不良が続いたり、一時的な血行不良のあと、一部血流が再開すると、しびれを感じます。
漢方でも、しびれや知覚のマヒは、症状のある部分に気血(エネルギーや血液)が届かなくなって起こると考えます。
続きを読む »

年末年始休業日のお知らせ(2023~24年)

19052301

2023.12.16(土)

漢方薬局ハレノヴァの年末年始休業日をお知らせいたします。

年末年始休業期間:2022年12月29日(金)~2023年1月4日(木)

期間中、メールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は2023年1月5日(金)以降となります。
また、休業期間中はオンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願い申し上げます。

コロナ後の不調(体のだるさ、痰・喉の違和感)

40代男性
主訴: コロナ後の体のだるさ、痰、喉のイガイガ

現病歴:
 午前中は動けるが、午後からしんどくなる。体を動かした後や、仕事に集中するとだるくなる。昼食後は眠たい。夕方も時に寝たい。休日も不変。
 咳はでないが、痰が出る。透明で粘っこい。たまにのどにへばりついている。
 のどのイガイガは朝はマシで夕方になるにつれて悪化。
 コロナは1ヶ月前になった。初めは強い寒気、発熱37.5℃、水様便2~3日。その3日後に強いのど痛。さらに4日後に痰、咳だけ残った。

続きを読む »

病気になりにくい体・再発しにくい体について④(治療薬・健康を保つための薬)

人参5

前回、邪を防ぐ、邪の発生を予防するための方法をお話ししました。
今回は、漢方薬にも、治療のための薬、健康を保つのための薬があることについてお話しします。

続きを読む »

病気になりにくい体・再発しにくい体について③(邪への対処)

牛黄2

前回、正気を強くするためにはどのような方法があるかお話ししました。
では、邪を防ぐ、邪の発生を予防するにはどうすればよいでしょうか。
1,邪を細菌やウイルスとする場合、2,気候や環境とする場合、3,気血水の滞りとする場合に分けて考えてみます。

続きを読む »

病気になりにくい体・再発しにくい体について②(正気を強くする)

瓊玉膏300g8 沈香

前回、病気にならないためには、正気を強くするか、邪の侵入を防いだり、邪を体に溜め込まないようにするかどちらかという話をしました。
では、正気を強くするにはどうすればよいか。
正気を強くするには、正しい食事と睡眠をとる、治療のための薬ではなく保健のための薬を飲む、体の熱や冷えのバランスを整える、五臓(肺心脾肝腎)のバランスを整えるなどが必要です。

続きを読む »

病気になりにくい体・再発しにくい体について①(正気と邪)

防已3

病気になりたくないのは、全ての方に共通している思いではないでしょうか。
(むしろ病気になりたいという方は、深淵な哲学をお持ちの方か、探究心を窮めた狂気じみた方か、芯の図太い徹底した天邪鬼だと思います。)
では、病気になりにくい体、病気が再発しにくい体を目指すためにはどうすればよいでしょうか。
漢方の視点、治療薬、保健薬、生活習慣、心、いろいろな面からどうすればよいかを考え、何回かに分けてお話ししていこうと思います。

続きを読む »

夏季休業期間のお知らせ(2023)

8月のたぬき

2023年8月10日(木)

漢方薬局ハレノヴァの夏期休業期間をお知らせいたします。

夏期休業期間:8月11日(金)~8月16日(水)

休業日もメールでのお問い合わせは受け付けておりますが、お返事は翌営業日以降となります。
また、オンラインショップの発送業務も停止いたしますので、予めご了承ください。

ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

瓊玉膏について⑥(更年期)

更年期の悩みは、パートナーの方など周りに理解されないことも多く、一人で抱え込んでしまうこともあります。
現在は、更年期症状が出る年齢が早まっている方も少なからずいらっしゃって、そういった方は、世間一般にいう更年期の年齢ではないため、一層、理解を得られにくくなっています。

続きを読む »

車酔いからくる手足のしびれ

40代女性
主訴:車酔い・手足のしびれ

現病歴:
 前日バスで酔った。以前からあるが、車酔いで胃の違和感、胃のしびれが出て、その後、手足がしびれ、体が硬直して動かなくなる。
 明日から車を運転して、出かける予定なので、何とかしたい。
 今日は食べられるがムカムカしている。頭に霞がかかったよう。手足の冷え(-)。喜冷飲。ムカムカと頭の症状同程度。

続きを読む »

こむら返り・便秘

70代男性
主訴:#1こむら返り・#2便秘

現病歴:
#1ゴルフをしていると後半に足がつる。芍薬甘草湯を飲んで、以前は効いていたが、効かなくなった。夏もつる。つりやすい時間帯はない。足に毛布をくるんで寝ると多少マシ。
#2直腸がん切除後から排便障害あり。酸化マグネシウムで便通がある。出が悪く、ガスも溜まる。便秘で胸が悪くなる。

続きを読む »

回春仙について③(気付け)

回春仙は、13種類の生薬を配合し、心臓の症状以外にも応用できる漢方薬です。
1丸が小さいため服用しやすく、瓶も小さいので持ち運びやすいのが特徴です。
症状があるときに服用する、頓服薬としてとても便利な漢方薬です。
今回は、気付けに対する効果についてお話します。
続きを読む »

過敏性腸症候群(IBS)について

過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や便通の異常があり、数ヶ月にわたって慢性的に続く病気です。
人によって、便秘だけ、下痢だけが続いたり、便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。
症状が強いと、電車に長時間乗れず、トイレがない車両だと不安だったり、緊張する場面になるとすぐにお腹が痛くなり、トイレに何度も駆け込むなど、生活に支障をきたすこともあります。
漢方では、どう考えて薬を決めていくのか、次にご紹介します。
続きを読む »